最近観たドラマの中で、特に心に残った2本があります。
それが『三ツ谷先生の計画的な餌付け』と『晩餐ブルース』。
どちらも「ごはん」と「人との距離感」を丁寧に描いた作品で、
疲れた夜やちょっと孤独な気持ちのときに、じんわり染み込んでくるような優しさがありました。
『三ツ谷先生の計画的な餌付け』:ごはんがつなぐ、静かで優しい年の差ラブストーリー
雑誌編集者・石田は、人気料理研究家・三ツ矢(山崎まさよし)のコラム担当に。三ツ矢の温かい手料理と丁寧な生活に触れるうち、石田は仕事のやりがいを見出していく。ふたりは美味しい料理を通して心を通わせていき、石田はそれが恋だと気づいていく。
ポイントは、このドラマが“BL作品”でありながら、恋愛感情よりももっと深い「信頼」や「安心感」を描いていること。
年の差ゲイカップルという設定も、決して過剰に強調されることなく、自然に描かれているのが印象的です。
ごはんを食べるという行為が、言葉よりも強く人をつなぐ。そんなことを思い出させてくれる、静かで優しい作品です。

『晩餐ブルース』:大人たちのリアルな心の揺れと、“恋じゃない何か”の尊さ
晩餐ブルース』は、職場の人間関係や日々のストレスに押しつぶされそうな大人たちが登場する、ちょっとビターな人間ドラマです。
主人公は、ある出版社で働く編集者。
周囲に気を遣いながら仕事をこなす日々の中で、今のままの生活を送っていくことに心のずれを感じていく。高校の頃からの友達と久しぶりに会い、食事を一緒に食べることで自分を取り戻していく。
ふたりでいっしょに食事をして、おそろいのエプロンをつけて・・・。
食卓での会話で相手の弱さを知ったりする。
「これは友情?恋愛?それとも、もっと別の何か?」と視聴者の想像を掻き立てる展開が続きます。
何よりもこの作品の魅力は、「食べること」が人の感情や記憶を呼び起こし、繊細な心の揺れを浮かび上がらせていく演出。
忙しさに追われる大人たちが、ほんの少し立ち止まって、ちゃんと“食べる”ことで、
自分自身や他人との距離を取り戻していく姿が描かれています。
明確なハッピーエンドはないかもしれないけれど、
観終わったあとに「自分も少し優しくなれた気がする」そんな余韻が残るドラマです。

どちらの作品にも共通する“ごはん”と“心のつながり”
この2本のドラマに共通しているのは、「食べる」という行為が、誰かとの距離をゆっくりと近づけてくれるということ。
言葉では伝えられない想いも、
一緒に食卓を囲むことで少しずつ分かり合える。
どちらの作品も疲れているときこそ、人は食事と対話に救われるんだと実感できます。
観るだけで、少しやさしくなれる作品
・人間関係にちょっと疲れた
・自分のペースを取り戻したい
・ご飯をおろそかにしがち
そんな人にこそおすすめしたい、
“静かに効く癒し”のドラマ2選。
どちらも過剰な演出がなく、
でもじんわりと心に残る、素敵な作品です。
「今日の夜はちょっと疲れたな」ってときに、あなたもこの2本を観てみませんか?
サブスクはどこ?
『三ツ谷先生の計画的な餌付け』はHULU、『晩餐ブルース』はAmazonプライムで見ることができます。

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